インドの主要都市(デリー、ムンバイ、バンガロール、チェンナイ、バラナシ、ケララ州、グジャラート州など)で国内線を利用する際、日本人旅行者には戸惑う点が多々あります。
近年、弊社のお客様(日本人旅行者)がインド国内線のフライトに乗り遅れる事故がいくつか発生しました。
その原因としては、大都市の深刻な交通渋滞、VIP要人移動による道路封鎖、そしてモンスーン期の豪雨など、日本ではあまり経験しない事情がありました。
本ガイドでは、そうしたトラブルを避けるための対策と、インド国内線の空港チェックイン手順をステップごとに詳しく説明します。初めてインドを訪れる方や英語に不安のある方でも安心してご利用いただけるよう、プロフェッショナルかつ暖かみのある視点で解説します。
ぜひ参考にしてください。
● 都市部の交通渋滞: インドの大都市では、時間帯や予期せぬ要因で突然渋滞が悪化することがあります。 例えばデリーやムンバイでは、通常30分で着く距離が数時間かかるケースも珍しくありません。
 
															 
															入口でのセキュリティチェック: インドの空港ターミナルビルには搭乗券(eチケット)と写真付きIDの提示なしには入れません。
入口に武装警備員(中央産業保安部隊=CISF)が立っており、紙のEチケット控えやスマホ画面の予約確認書面とパスポートなどIDを照合します。
「搭乗者本人であること」「当日有効な予約があること」を確認できないと中に入れてもらえません。
日本のように誰でもターミナルに入れるわけではないので注意してください。
このため事前にEチケットを印刷して持参するか、スマホで確実に提示できるようにしておきましょう。
入口を通過したら、電光掲示板(フライト情報案内板)で自分の乗る便名とチェックインカウンター番号を探します。
都市名や便名が一覧表示されていますので、該当するカウンターへ向かいましょう。
空港や便によっては自動チェックイン機(キオスク)が使える場合もあります。
 
															 
															 
															 
															セキュリティ検査場では機内持ち込み手荷物のX線検査とボディチェックがあります。 ここでは搭乗券と手荷物がセットで検査されます。 インドの空港では手荷物にタグを付けてから検査する独特のルールがあります。 通常、チェックイン時に小さな紙タグを手渡されるか、カウンター付近や検査場入口で配っています。 そのタグを機内持込バッグ(リュックやハンドバッグなど)に付けてからX線検査機に通してください。検査後、係員がそのタグにスタンプ(検査済み印)を押します。 このスタンプ付きタグがないと後で搭乗口で飛行機に乗る際に止められてしまいますので、必ずタグを付けて押印を受けるようにしましょう。 金属探知ゲート通過時は日本と同様にポケットの金属類をトレイに出しますが、ノートPCやタブレット・充電池類など電子機器は全てバッグから取り出す必要があります。 出さずに通すと開封検査となりかえって時間がかかるので注意しましょう。 【女性専用レーン】も設けられており、女性はカーテンで仕切られたブース内で身体検査(ボディチェック)を受けられます。 男性の視線を避けプライバシーに配慮した措置なので、女性旅行者は安心して係員の指示に従ってください。 検査官によるボディチェック(ハンドヘルド金属探知機での検査)が終わると搭乗券にスタンプが押されます。 これで保安検査は完了です。検査場は混雑しやすく、インドでは列に割り込もうとする人も時折いますが、焦らず順番を守って進みましょう。 重要: 保安検査を通過したら、先ほど手荷物に付けたタグと搭乗券にスタンプが押されているか必ず確認してください。どちらか欠けていると搭乗ゲートで引き返す羽目になります。
 
															 
															手荷物検査を終え出発エリアに入ったら、まず自分のフライトの搭乗ゲートを確認します。
搭乗券にゲート番号が書かれていても、状況によりゲート変更が起こり得るため油断はできません。
空港内のフライト情報モニターにて最新のゲート番号と搭乗時刻をチェックしましょう。
モニターには便名ごとにゲートや出発時刻、現在のステータス(搭乗開始済み、遅延など)が表示されています。
もし搭乗券記載のゲートと表示が異なっていたら、表示を優先します。
搭乗口に着いたら電光掲示板の案内表示や係員の指示に従い、搭乗開始まで待機します。
インドの国内線では、搭乗の際にボーディングブリッジではなくバスで移動して飛行機に乗り込むケースも多いです。
アナウンスに従って乗客用シャトルバスに乗り、誘導に従って降車後に搭乗してください。
搭乗時にも係員が搭乗券のスタンプと手荷物タグのスタンプを再確認しますので、搭乗券は手元に用意しておきましょう(インドでは降機時にもチ
ケット確認が行われることがあります)。
なお、搭乗ゲートは出発時刻の20~30分前には閉鎖されます。
日本国内線の感覚で「出発10分前に駆け込めば間に合う」ということはありません。
航空会社にもよりますが、出発30分前には最終案内がなされ、その後は原則ゲートを通してもらえません。
確実に乗るためには、遅くとも出発40分前までにはゲートに到着しているよう心がけましょう。
 
															旅程によっては「渋滞で想定以上に時間がかかり、空港到着がギリギリになってしまった!」ということもあるかもしれません。そのような場合でも諦めずに行動することが大切です。インドの空港では状況によっては周囲の協力を得られる場合があります。
空港入口や保安検査場で長蛇の列に並んでいる時間がない場合、近くのスタッフにフライトの時刻が迫っていることを伝えてみましょう。 搭乗券やeチケットを提示し「〇時のフライトに乗る必要があるが間に合いそうにない」などと伝えると、スタッフの判断で優先レーンに案内してくれたり、先に通してくれる可能性があります。 また周囲の乗客に「フライト時刻が迫っているので先に行かせてほしい」とお願いし、列を譲ってもらえたケースもあります。 インドの方々は意外と親切で、事情を説明すれば協力してくれることもあります。 もちろん確約はできませんが、黙って焦るよりは行動してみる価値があります。